チベット雪ヒョウ BE15-53 (1919) 20srang(サン)金貨 ドットなし【MS62】
チベット雪ヒョウ BE15-53 (1919) 20srang(サン)金貨 ドットなし【MS62】BE 15-53 (1919) Tibet Theocracy gold 20 Srang
チベット雪ヒョウ BE15-53 (1919) 20srang(サン)金貨 ドットなし【MS62】をご紹介させて頂きます。
貨幣単位「Srang」は「サン」と読む、チベットで1909~1959年にかけて使われていた貨幣の単位です。日本では「スラン」や「スラング」とも読まれていることがあります。
国名: チベット(当時は神権政治のチベット)
発行年: BE 15-53(チベット暦15年53周年)=西暦1919年
額面: 20 Srang(サン)
材質: 金
重量:10.91 g
直径:28 mm
表面には、チベットの象徴である「スノーライオン(雪獅子、雪ヒョウ)」が中央に描かれています。
裏面の円の中に花があり、その周囲をチベット文字が囲んでいます。
また、1918年、19年、20年発行の金貨は裏面の円の中に「ドット(点)がある」ものと「ドットが無い」ものの2種が存在します。1921年発行の20サン金貨は「ドットが無い」もののみとなっています。
今回ご紹介する20サン金貨は4年にわたり発行された中では、2年目にあたる西暦1919年発行の品となります。
鑑定番号(PCGS)28490340
PCGSでは同グレードは15枚、NGCには2枚あり、上位はPCGSとNGC合計で12枚あります。
周囲にはチベット文字と伝統的な仏教文様が配置されています。
スノーライオンはチベット仏教の守護者として神聖視される存在です。
1904年、イギリスがチベットに侵攻(ヤングハズバンド遠征)し、ラサを占領。チベットはイギリスと不平等条約を結ばされます。
清朝の介入も強まり、チベットは二重の圧力を受けました。
しかし、1911年、清朝が辛亥革命で崩壊すると、チベットは清の駐留軍を追放し事実上の独立を果たします。
ダライ・ラマ13世(Thubten Gyatso, 在位:1876–1933)が指導者となり、外交的にも独自路線を採りました。
(ダライ・ラマ13世)
短期間ながら、独自の通貨(金貨・銀貨・銅貨)、郵便制度、軍隊を整備し、近代国家としての歩みを始めます。
英国、ネパール、ブータンなどと関係を維持する一方で、中国からの独立を主張。
その後、1950年になると中華人民共和国が「平和的解放」と称してチベットに軍事進出し、1951年「十七か条協定」により、チベットは中国の一部として正式に組み込まれてしまいます。
ここでチベットという国家は無くなってしまいますが、1959年にダライ・ラマ14世がインドに亡命し、現在まで続く「チベット亡命政府」が設立されます。
(ダライ・ラマ14世)
今回の「20サン金貨」は独立期、ダライ・ラマ13世の時代に発行されたもので、主に高額取引や寺院への寄進、儀礼的な目的で使用されていました。
--- オークションレコード -----
※公開時の為替で計算しています。
2021年8月 ドットなしMS62が約350万円で落札歴あり
20,400ドル(BP込)×1.1×156円=3,500,640円
日本での販売歴はまだそれほどありませんが、ドットなしのMS62は360万円で販売している有名ショップも確認しています。
神聖なるスノーライオンが中央に堂々と描かれ、チベット仏教の深遠なシンボルと、独自の文化が色濃く反映されたデザインは、まさにこの地の誇りと歴史の証です。仏教の吉祥文様と古代チベット文字が見事な調和を生み出し、コインそのものが一つの祈りとも言えるでしょう。
現存数は非常に限られ、市場に姿を見せること自体が稀。世界のコレクター、チベット仏教愛好家、歴史遺産を愛する方々から、常に高い注目を集め続けています。
チベットの歴史、精神、祈りを手にする一枚、ぜひこの貴重な機会をお見逃しなく。
【お支払い方法】銀行振り込み、または現金払い ※クレジットカードでのお支払いは現在は承っておりません。




